円山鍼灸「円山漢祥院」 の日記
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冷え症
2017.01.31
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冷え性は漢方薬治療の視点では「冷え症」といわれます。 冷えを訴える人はとても多く、その多くは女性にみられます。 その原因として考えられるのは、貧血や低血圧、ホルモンのバランスや自律神経失調症、甲状腺の機能低下などですが、はっきりとした原因疾患が見つからない場合も多く、西洋医学的には冷えは体質(冷え性)ととらえます。 漢方薬治療の視点では、冷えはさまざまな健康障害のもとになると考えていて、「冷え症」といいます。不規則な生活、ストレス、過度な冷暖房、シャワーなどの生活環境に原因があると考えられます。 冷えの主な症状は、手足や腰などに不快な冷感を感じることです。 夏でも靴下がかかせなくなり、エアコンの風にあたるだけで体調が悪くなる人もいます。西洋医学の視点では、貧血や甲状腺疾患などの明らかな原因がある場合はそれを治療します。 体質的な冷え性は、手足の血液循環を良くするために末梢循環改善薬を投与することもありますが、あまり積極的に治療は行いません。 冷え性に効果のある漢方薬にはどういったものがあるのでしょうか。 漢方の視点では、冷えは放置すると月経痛をはじめ様々な病気になると考えます。末梢血流だけでなく全身の気・血・水バランス改善が重要で、そのためには症状に合わせた幅広い漢方薬が選択されます。 また、冷え症は虚証に特有の症状ととらえられがちですが、冷えとのぼせが混在する症状がみられる場合もあります。 この様な症状に虚証に使うような体を温めるような漢方を使っては、かえって症状を悪くする場合があるので注意が必要です。 使われる漢方薬は主に、体力が比較的なく、手足のほてりや月経不順を伴う場合には「温経湯」、下腹部痛、めまいがあり疲れやすい場合には「当帰芍薬散」を、下痢や腹痛を伴う場合は「真武湯」を用います。 のぼせや肩こり、下腹部痛がある場合には「桂枝茯苓丸」を用います。冷え性に効果のある漢方薬は数多くあります。 冷え性はさまざまな病気の原因にもなるので、放置せずに治療をしていくことを考えましょう。